「ガス……!」

 午後3時頃、現場で業者と待ち合わせ、ちょっと信じられないという表情。
 「こんなことは初めて、入居ご数年して錆が出たという話しは聞いたことがあるが………。とりあえず錆びた部品の交換の手配をしました、ただ交換は休み明けになります。」と業者の彼。

「展示品じゃないの、あるいは保管が悪くて、搬入時にすでに錆があったのでは。」と僕。
「展示品? そんなことはありません」と否定、「特にキッチンのこのシリーズは受注生産だから、保管が悪いなんてあり得ません。」という。
 実際僕も、キッチンは搬入時に立ち会っているし、そんな錆はなかったことは確認している。
          ……しばらく沈黙……
彼が、真顔でいった。「きっとガスか何かの影響ですよ」
「ガス?」と僕。
「錆の範囲が短時間に広範囲に発生しているし、錆の発生はOME(相手先ブランド製品:食器洗い器)の網カゴにも発生している、だから製品に問題があるのではなく、他の原因、例えば、土地から腐食ガスが発生しているとか、浄化槽に何か薬品を入れたのが原因ではないか。」という、にわかには信じられない話し、本気かなと彼の顔を見る、冗談を言っているのではなさそうだ。
 「信じらないし、そんなことクライアントに言える分けないじゃないか」と僕。
今日のところは、確実にこうだと言える原因も発見できなかったが、とりあえずクライントに現況の報告と、今わかっていることを報告に行くことにした。
 
 錆びの分析の依頼、メーカーに現場を確認させること、部品の交換のスケジュールの確認と報告を依頼し分かれる。