2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

渚から来るもの

2年ほど前、建築生産の分野を研究対象とする村松秀一東京大学教授は、建築雑誌2007で「パッケージとしての「ハウス」の次に来るもの」と題したコメントを寄せた。 そこでは、住宅メーカーを、”住宅に生活提案を盛り込み、識別性の高いオリジナル部品を搭載し…

木造の接合部

木造の接合部は、一般的には仕口・継ぎ手と呼ばれている、建物に限らないと思うが、その架構を構成する線材や面材が、一箇所の接合部も無いシームレスな構造を有することができれば、例えば、常温で粘性と塑性をいったり来たりする性質を持った素材があるとす…

土蔵のはじまり

土蔵の始まりはいつ頃か? この疑問の答えを彷彿させる場面が描かれた絵巻がある、「春日権現験記絵巻」がそうだ。 「春日権現験記絵巻」は 藤原氏の氏神である春日明神に関する絵巻で、1309年(延慶2)3月に左大臣西園寺公衡(きんひら)が氏神である春日明神に…

照明が似合わない空間。

設計を進めていく上でいつも最後に悩むのが照明の選定、雑誌などを見ても、せっかくの空間が目障りな照明で台無しになった写真をしばし目にする。 現代の日本人は、夜を明るくしたい欲求が強いように思う、室内は必要以上に照らされて健康的、隅々まで明るく…

この日曜日、国土交通省による【長期優良住宅先導的モデル事業】に採択された【200年住宅】の見学を行った。 この住宅の性能は、耐震性能は通常の1.25倍の強さ、省エネルギー対応も高基準レベルを採用しているそうだ。”耐震性能は通常の1.25倍の強さ”とある…

大津磨き

大津磨き一枚の壁(約2畳)、1日掛けて完成。

クスノキ

”…S製材所に行った目的は、今度「時ノ寿の森」に木製モニュメントを作る計画があって、その看板にする板を探しに行った。素晴らしいものが、いっぱいあったが、なんとかなりそうな値段で、長さ2m以上・幅90cmもある立派なクスノキの板を見つけてきた…

土壁・撫でもの その2

4日に寝室の壁を仕上げた、土もの壁は、色土に砂とスサを混ぜて塗り上げるが、糊を使用するかしないかによって、3種類の分類が有ると言う。 「水捏ね」、「糊差し」、「糊捏ね」の3種類だ、西方の家では「糊差し」仕上げとした、本来は「水捏ね」仕上げが…

土壁・撫でもの

左官の仕上げは、無数あると言われている、地域により産出する土などの材料の違い、風土により地域特有の工法が生まれたことなどの理由によると考えられる。 しかし、左官読本:建築知識によると、現在の土壁の工法の主流は京都に伝わる技法が中心をなしてい…