住まい

"look at the sky"

そらを見上げるとすがすがしい気分になります。 ここ数年の、私たちの思い ”家づくりは、住まい手(施主)、施工者(職人)、山、設計者の4者が、顔の見える関係と信頼のもとに参加する協働作業。 ・施主…住まいづくりに参加する、山に感謝し一部を返す(植…

リフォームの行方

民主党のマニフェスト・住宅の政策に関してこう記述している。 44.環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進する 【政策目的】 ○住宅政策を転換して、多様化する国民の価値観にあった住宅の普及を促進する。 具体策として ○リフォームを最重点に位置づけ、バ…

渚から来るもの

2年ほど前、建築生産の分野を研究対象とする村松秀一東京大学教授は、建築雑誌2007で「パッケージとしての「ハウス」の次に来るもの」と題したコメントを寄せた。 そこでは、住宅メーカーを、”住宅に生活提案を盛り込み、識別性の高いオリジナル部品を搭載し…

天井の表情

空間の質を決める要素のうち、空間を限定する床、壁、天井は重要な役割を担う、その中でも天井は直接構造的な制約が少なく、非常に自由度の高い表現が可能な部位だ。 天井のデザインするとき、いつも頭を悩ませるのが照明だ、その場合、照明の存在感を限りな…

美しい仕口と継ぎ手

ある工務店の加工場、6月に建て前だと聞く、加工場に整然と置かれている柱や梁は徳島のスギだという。 そもそも、仕口や継ぎ手は組んでしまえば見えない、住まいが完成して、鴨居や長押がどうやって留められているかなんて興味を持つ人はいない。 が、ここで…

もっと学習しよう。

先のブログの続き…… 先のMホームのクライアントは、しっかり現場をみた方が良いだろう。 というのも、新築現場は造成地、まだ造成工事が終了していない段階で、工事に着手しているから。 推測するに、時期が3月だけに、メーカ-の決算上、あるいは営業所の工…

シャドーワークの破綻?

シャドーワークの破綻とは、ウイーン生まれの思想家イワン・イリイチが使った言葉で、例えば…建築工事で考えると、仕上げと(クロスや塗装)とその下地工事(ボード張りなど)は別の職種となるが、仕上げの出来映えは、仕上げの職人の腕だけでなく、実は下地…

荒壁

荒壁塗りの初日、2名の女性が応援に駆けつけてくれた、20代と30代で一人は設計事務所に勤務、彼女曰く「日頃は、ほとんどS造とRC造で、木造の設計経験が無く、小舞荒壁の体験に興味があり参加した。」 彼女に限らず、小舞と荒壁で仕上げる住まいは、最近…

床下だから分からない?

基礎は、住まいの構造的安全性を考える上で、重要な部位だ、木造の架構がいくら頑強でも基礎がいい加減だと、住まいの安全性は保障できない。 上部構造部である柱や耐力壁から伝わってくる荷重や、地震・風よって生じる力を支持し、地盤に伝える役目を負って…

見学会と体験会のお知らせ

西方の家は”歴史的に培われてきた木の使い方”に学んだ住まい、先人の知恵が詰まった架構形式を味わった見ませんか。 架構は、折置組で橋と軒桁で納め、小屋梁は桁に渡り腮で掛け、梁と直交方向に中引きを引き渡し、井桁状に組む、柱は土台に通しほぞとして、…

世帯を起こすから世帯を繋ぐ(2)

さる11月28日に参議院で可決された[ http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案]」(前福田総理が提唱した、いわゆる200年住宅ビジョン)では、下記のビジョンを詠っている。 (1)住宅の建設・取得・維持管理のための国民負…

古民家の現地再生

田舎に行けば、古い(戦前)民家?といった趣の農家はまだ多数存在する、もちろん内外とも改造、改修、増築はされてはいるが、今快適に生活する上での満たすべき基本要求である、温熱性能、プライバシー、耐震性、耐火性が劣っていると考えられ、住まい手は…

”ピシ! ピシ!”と鳴るんです。

””ピシ! ピシ!”と鳴るんです、気持ちが悪いんです、木の割れる音だと思うんですが、心配ないですよね。” とMさん、”いつまで ピシ! ピシ!なるんでしょうか”すこし不安げに、僕の顔をのぞき込みながら聞いてきた 。 ”大丈夫!”と言いながら、”何故、割れ…

雨水を貯める。

僕らは水を空気のように思っている?水道の蛇口を捻れば……でる、出る、デル。 出るのが当たり前で、断水なんて想像できない。 飲み水の質には神経質なのに、使用量や水源についてはほとんど無頓着だ。 例えば地震の時、何が一番苦労するかと言えば、食料と共…

「懐かしい光景…」

住まいは、何より住みやすいことが重要だ、それを実現するための作業はとても大変で、設計者は、住人の断片化している暮らしのイメージや、そこで営まれるはずの暮らしの場面場面を、具体的に想像し、それを建築の言語に翻訳し、具体的な建築的表現を提案す…

気流止め

住まいの生理的な快適性を決める要素に、断熱性能があります、この断熱性能を確実なものにするためには、手抜きのない施工や、断熱の意味をしっかり知った上での施工が重要です。 しっかりとした断熱性能を持った住まいとするために、やらなければならない施…

なぜ、スクラップ・アンド・ビルド

建設産業は、全産業の資源利用量の約5割を建設資材として利用している。一方、建設工事に伴い排出される廃棄物(建設廃棄物)は全産業廃棄物の排出量の約2割を占め、最終処分量では約4割を占める。また、厚生省の調査によれば、不法投棄量の約9割が建設…

住まいに入魂

赤目ヶ谷の家は、住まいの中央を、通り土間が玄関から裏庭まで貫き、まさに土間が暮らしの中心となる。 土間は、町家の通り庭のイメージだ。 当初から住人のイメージは、土間のある暮らしだった、いくつかのプランの変遷の結果、中央を貫くプランが、最後に…

「女房と畳は……」の誤解

「女房と畳は……」という格言を、宴席などで、女房も畳も…と酒の勢いをかりて、世の女房族の眉をひそませる輩がいまだにいるが、この格言の意味をまるっきりはき違えていると思われるので、ここでただしておきたい。 「女房と畳は……」とは、畳を大切に扱う、…

素足で歩く

日本人は、家の中で、素足で歩くという、先進国中では、数少ない民族だ 、この素足で歩くという、本能といってもいい習性、あるいは文化といってもいいかもしれないが、これは、ポリネシア:南方系の影響と、日本の地理的要因にあるといわれている。 東アジ…

材料選別と加工は誰が?

最近、といってももうずいぶん立つが、木木材選びから、継ぎ手・仕口と呼ばれる木架構の接合部の加工が、大工の手から離れ、プレカット工場に外注された。 昔は、大工が、木肌から木を選び、コツコツと加工していた、華やかな建前や、加工場での材の”きざみ”…

柱信仰

僕ら日本人が”木”に対して持つ愛着と感受性の大きさは、他の国の人々に比較にならないほど強いのではないか。 農学博士の小原二郎は著書「木の文化」中で、日本人と木の繋がりの強さを”その由来は生きた樹木を見て感じる日本人の信仰にまでさかのぼらないと…

耐久性は

木造の法定耐用年数は住宅で22年、鉄筋コンクリートで47年となっている、本来、木材は循環型の資源であり、木造は古材を再利用することを前提の技術に支えられた再生可能な住まいだったのに、いつからかそれは失われつつある。 でも、地球環境問題を避けて通…

ヒバ油と木酢液

かつて住まいの健康性について、議論されない自分の防蟻は、危なくあやしい化学薬品漬けで、薬品を散布した後のその毒々しさは、どう見ても正常でないなとは、誰もが感じていたのではないか。 防蟻剤の健康被害が多数報告されるに及んで、まずクロルデンが1…

建前の日

建物を建てる際の建築儀礼の中で、柱を立てることは、最も重要な儀礼の一つといえる。 今日では、土台を引いて柱を立て、梁、棟木など家の骨格ができ上がると建前の儀式を執り行う。 しかし本来は家の中心となる柱、すなわち棟持柱を建てて行った儀礼ではな…

三和土その1

叩き土の略で赤土、石灰、苦塩の3種の材料を混ぜる合わせることから三和土と言われているが、これに水で練って叩き固めた土間のことだ。 大沢の家でも土間が重要な位置を占めている、施主のMさんは最初から生活の中での土間への強い思いを語っていた、土間…

美しい風景

在来軸組構法は戦後の住宅技術の向上に大きな寄与をしていると言われる、しかし同時にそれは、伝統的木造民家に代表される、伝統的なものの排除という結果を引き起こしてもいる。 伝統の技術と知恵を排除し、住まいを地域性や広い意味での生理的な全体像とし…

通り庭のある暮らし

Kさんの住まいの基本設計が完成し、今日、基本計画の説明を行った。 これまで何回もの打ち合わせの中で、プランやスケッチ、模型、建築材料を通じて、Kさんの想いに対する建築的提案は、かなりの密度と深度が得られたと、自分なりに自信があったが、しかし…

S邸増築工事竣工

Sさんの増築工事が竣工した、この工事の一番の功労者は、Sさん自身だろう、Sさんが最初相談に訪れたとき、言葉の端々から、住まいづくりに、自分自身も参加してみたいという希望が、垣間見えたことをよく覚えている。 大工さんからは、”S塗装店とか、S…

気持ちをこめた模型

クライアントとの打ち合わせは、だいたい紙と鉛筆、言葉と身振り手振りがほとんど、時にはパソコンの3次元パースを駆使し、臨場感溢れる言葉と、俳優のように感情溢れる優美な所作で語りかけても、伝わらないのは伝わらない、それが住まいの設計なのだと、し…