2007-01-01から1年間の記事一覧

荒壁

土壁の工程は、1)荒壁 2)裏返し 3)貫ふせ 4)チリ回し 5)むら直し 6)中塗り 7)切り返し 8上塗り の順で施工される 。 大沢の家でも、1)荒壁 2)裏返しの作業を行つた、嬉しいことに西は浜松、東は静岡から助っ人が現れ、プロの左官職人を含め、総勢10名程度の…

”ああ!それはですね…”はぐっと我慢

僕らの業務・住まいの設計は、その性格上、クライアントと1対1(家族で参加される場合複数)で応対することが必然的に多くなる。 その際いつも戒めていることがある、クライアントに単に知識を伝えることになっていないかと言うことだ。 もちろん、最初は…

美しい風景

在来軸組構法は戦後の住宅技術の向上に大きな寄与をしていると言われる、しかし同時にそれは、伝統的木造民家に代表される、伝統的なものの排除という結果を引き起こしてもいる。 伝統の技術と知恵を排除し、住まいを地域性や広い意味での生理的な全体像とし…

地盤と地震と住まい

3月に起きた、能登半島地震の現地被災状況の調査報告について、以前このブログでも紹介させていただいた。 調査では、次の点が報告されていた。 □土塗り壁や太い柱、梁の伝統的木造建築は、地震で倒壊しても住民の 生存空間確保という点で優れいる。 □年代…

木舞と竹

伝統的構法の木造建築物における、主要な耐震要素として土塗り壁がある、その効果(耐力)のほどは土塗り壁の塗り厚さにより相当幅があるらしいが、耐震の診断基準では塗り厚に比例するとしていて、50mm以下、50〜70mm、70mm以上と分けている。 土塗り壁は…

二枚腰・生存空間確保の構法

最近地震がよく起こる、それもかなり大きな地震だ、地震があまり発生しないと思われていた、能登半島でも地震が起きた。 被災された方々の復興を、心から祈念申し上げます。 現地の被災状況を調査した金沢大学の宮島昌克教授によると、被災住宅では、土塗り…

伝統的民家の改修

環境との共生・資源の循環が叫ばれて久しいが、伝統的民家こそ、その理念にばっちりの住まいといえるのではないか。 身土不二の木・土・竹・で造られ、だからこそ住まう人には優しく健康的で、ライフサイクルCO2でも地球環境への負荷は少ない、まさしく地球…

通り庭のある暮らし

Kさんの住まいの基本設計が完成し、今日、基本計画の説明を行った。 これまで何回もの打ち合わせの中で、プランやスケッチ、模型、建築材料を通じて、Kさんの想いに対する建築的提案は、かなりの密度と深度が得られたと、自分なりに自信があったが、しかし…

S邸増築工事竣工

Sさんの増築工事が竣工した、この工事の一番の功労者は、Sさん自身だろう、Sさんが最初相談に訪れたとき、言葉の端々から、住まいづくりに、自分自身も参加してみたいという希望が、垣間見えたことをよく覚えている。 大工さんからは、”S塗装店とか、S…

日本の木組

日本の木組と言う本をご存じだろうか、淡交社(著者は清家清氏)から発行され、”日本の木造建築の機能の解明を意図して、その中心となる木組みの基本を、美しい図版と解説で表した日本の建築を理解するための指南書”とある本で紹介されていたが、僕もそんな…

気持ちをこめた模型

クライアントとの打ち合わせは、だいたい紙と鉛筆、言葉と身振り手振りがほとんど、時にはパソコンの3次元パースを駆使し、臨場感溢れる言葉と、俳優のように感情溢れる優美な所作で語りかけても、伝わらないのは伝わらない、それが住まいの設計なのだと、し…

ぼんでん

建前の日には、屋根の棟に梵天を奉り、工事の安全と関係者の無病息災を祈る習わしがある。 ここ時ノ寿の駅もやっと建前の日を迎え、梵天を奉り、安全祈願を行った、待ちに待った建前、施主のM氏の喜びもひとしお、思えば昨年、8月の着工以来7か月、指折り…

時ノ寿で考えたこと

時ノ寿の駅はの接合部は、従来(伝統構法)の仕口・継ぎ手で接合することを考えている、もちろん現行法では金物なしの接合部は認められていないので、無金物とは行かない 、伝統構法の接合部を最大限生かすと言う意味だ。 新耐震以降の耐震性能は、震度5強…

久しぶりに時乃寿の駅”の作業場に行って来た、作業場では3月15〜18日に予定している建前に向けて、木の加工の真っ最中。 今日は建前に向け、土台に竹酢液を塗るため、M氏と共にやってきた、竹酢液はMさんの自家製、彼は炭窯ももっていて、暮らしのいろ…

 竹酢液

久しぶりに時乃寿の駅”の作業場に行って来た、作業場では3月15〜18日に予定している建前に向けて、木の加工の真っ最中。 今日は建前に向け、土台に竹酢液を塗るため、M氏と共にやってきた、竹酢液はMさんの自家製、彼は炭窯ももっていて、暮らしのいろ…

京都には歴史と文化の宝庫だと言われる、長い歴史が日本的という文化を育んだことは間違いない、さらに京都の文化を支えてきたのは何か、やはり町家だろう。 京都の文化とは町家の文化と言っても過言出はないかもしれない、「数寄町家・文化研究/上田篤:鹿…

今、まさに基本計画が進行中のKさんの住まいは、民家風の佇まいがデザインのべース、その佇まいを決定する大きな要素の一つは建具。 今日は、建具を静岡市内にある古材ギャラリーで物色、ここはKさんの行きつけの店、すでに水屋ダンスを予約済み、年代はよ…

茂庵へは、麓から4つのコースがあるらしい、僕らの登ったコースは一番代表的なコースだったようだ。 茂庵への道すがら、町屋風な戸建ての住まいが意図的に連続して建てられていた一画があった、しかし今風の建て売りの住宅地と違い、落ち着いた、簡素な美し…

バルコニーとテラス

住まいに、バルコニーがほしいという要求は多く、一般的には2階の南側に設置する場合が多い、当初S邸も同じだった。 でも、南側にバルコニーの壁が無骨に立ち上がるのはいやっだた…大体の場合、通風と視界の広がりを求め、バルコニーの壁には開口部を設けい…

在来木造の地震などの水平力に対抗する部位は耐力壁と呼ばれ、建築基準法では筋交いや面材(構造用合板)で補強された壁 のことを言う。 この耐力壁が地震時に予定どうりの抵抗力を発揮するためには、決められたサイズの材料が所定の位置に、計算された金具…

[住まい」

判子とお金を用意してできあがる日を待ている住まいづくりが多い中、僕らに仕事を以来するクライアントは、判子やお金と共に、一緒に気持ちのこもった住まいを作りたいと言う想いが溢れ出る人達だ。 Kさんご夫婦も、打ち合わせの翌日には必ずFAXを送ってく…

天井のパインがしっとりと濡れ色で色っぽい、Sさんが一生懸命パイン材に塗装を掛けたのが一目で分かる。 住まいが大型消費財となり、みんなでつくるのではなく、車や家電製品のように買う対象になって久しい。 昨日興味深いTVの特集を見た、内容は、手抜…

昨年来続いた小学校の耐震に関わる設計もやっと一段落、設計図書を提出しやっと最終段階を迎えた。 この間ずっとヘトヘトで、ブログも休眠状態だったが、新年を迎え気分も新たに今日から再開します。 今現在、住まいづくりのお手伝いをさせていただいている住…