「製品には問題ありません」

 やっと、待ちに待った(いろんな意味で)メーカーがやってきた、クライアントはかなり怒っている、それもそうだ、引っ越しはしたが生活はしていない、メーカーが確認するまでは、バスやキッチンの使用のみならず、生活そのものをしないといっていた、本心は新しい住まいですぐにでも生活をはじめたいはずだ。
 
 メーカーは開口一番、製品には問題ありません……。
おいおい、ユーザーの気持ちわかってんの!でもここは冷静に……!。
「それでは、何が原因だとお考えですか」と僕、
メーカーの彼「キッチンの錆の発生が弊社以外のOME製品(食器洗機器:相手先ブランド品)にも発生しているし、浴室の錆は配管(給水管)に穴があくほどだった、………」と取り付け業者と同じことを言う。
 「キッチンは10月9日搬入、設置し、段ボールにて養生、給水栓はビニール被せて保護した、システムバスは6月に設置したが、この時点で外壁が出来ていなかったので青いシートで養生していたので雨ななどの侵入は考えられない。」
 確かにシステムバスは、6月に設置し、浴室廻りのサッシは6月下旬、外壁は8月中旬に施工、バスは普段は引き戸が閉じれていた。
 だから「錆の原因は、製品の保管や、製品自体に原因があるのではなく、これまで、弊社でまれではあるが経験した、浄化槽の消毒用の塩素の影響ではないかと推測します。
 浄化槽と接続後、浴室もキッチンも設置後は養生のため、シート等で囲ってあった、しかしトラップの封水をしていなかったので、塩素ガスが侵入し、シンク内や浴室内の塩素ガス濃度が上昇して、ステンレスを錆びさせたのではないかと推測します。」
というわけだ。
 そして、錆の成分の分析はすでに依頼済みで21日頃結果が出ること、交換部品も21日頃には到着するので、交換できることが報告された。

 今日は、浄化槽設置業者は出席していないので、浄化槽とキッチン、浴室の排水管の接続時期と上浄化槽に入れた塩素の濃度はわからない。
 塩素の件は、21日までに確認しておくこととして、次の要望の2年間のモニターについては、メーカー、取り付け業者とも了解した。
 しかし、メーカーの言動は少しエンドユーザーであるクライアントの気持ちを逆なでしそうな危険をはらんでいると感じた。
 例えば、開口一番の「製品には問題ありません」発言は、いただけない、責任回避ともとれる、3年間モニターでの「きっと、こんにちは、さようならになるでしょうね」発言には真摯に状況を確認し対処するという姿勢が感じられない等々。

 危惧は的中した。
 メーカーが帰った後、「本当に頭に来た、申し訳ないの一言が当てもいいのではないか」
とクライアント、相当頭に来ている様子……無責任、腰が引けている、リコール、などなど。

 メーカーの彼が、エンドユーザーとの関係に不慣れなのか、会社の体質なのか、いずれにしても、まずは論理的に、冷静に、建設的に話しが進められるように「メーカーには僕から苦言を呈しておきます。」と約束して今日のところは分かれた。