「現場対応力」

住まいに限らないが、使用期間が長くなると、あちこちに劣化現象が顕在化する、補修・補強・改修などにより再生が図られるが、すべての価値を失ったとき、住まいは解体除去される。

 今年3件の耐震診断・補強計画を行う機会を得た、8月に起きた地震の影響で、補強工事を躊躇していたクライアントも工事まで進むこととなった。

 耐震診断・補強計画の作成に当たり、現場の調査を入念に行えば、比例してより正確な耐震診断・補強計画が作成でき、同時に工事の変更もが減少する、しかし目視が中心なので正確な調査も限りがあり、推測も加味された計画書となる。

 写真は、ある住宅の土台部分の外壁を解体した時にわかった土台の腐りだ、外壁の一部からの漏水が原因のようだ。

 

 一般に土台の劣化の対処方法はマニュアルに掲載されているが、マニュアルどうりにいかないのが常、ここで試されるのが「現場対応力」だ。

 「現場対応力」は、経験と情報を基に現場で判断し、実践する力、ここで我々の力が試される、一般的に言って、この場合の現場対応力の基準は
1)耐力壁の中に継ぎ手を作らない。
2)交換した土台はアンカーボルトで最低2箇所固定する。
となるだろう。