建築/設計

クライテリア

昨年に続き今年も木造スクールを行うことができた、希望を叶えてくれた西部支部に深く感謝。 今年の狙いは、もちろん軸組・架構の理解を深めるこで昨年と変わりはない。 第一回目は木構造、今年も山辺先生にお願いした、今年は演習を中心とした講義で、横架材…

丸太搬出と循環サイクル

年明けに伐採して葉枯らしさせておいた檜の丸太を搬出した、先週、時ノ寿の森クラブで玉切りし、積み置きして置いた材だ。 アテや腐り、割れ、虫食いなどの傷を避けて玉切りした檜の切り口を見ても、脂の乗った檜が何本もあった。 5寸の通し柱も4本は取れそ…

I邸模型

せがい部分に時間がかかったが模型完成。 せがいの張り出しは、予想以上に迫力がある。せがいの跳ねだし梁は時ノ寿の森で伐採した桧にしたい。 南面の大きな開口の部分は土間(三和土)にする予定、心の和む空間になればと思う、また冬季のダイレクトゲイン…

択伐

先日の土日に、時ノ寿の森からI邸用の用材として、4寸と5寸の柱用に、ヒノキを30本伐採した、木が上げ始める直前まで、4月まで葉枯らしさせる。 時ノ寿の森から、用材との択伐と出材はこれで2件目になる、これらの材は連携している製材屋さんから建築主に…

”せがい”

ゴールデンウイークの中日、馬篭宿を訪れた、観光と”せがいつくり”を確かめることが目的で訪れた。 今計画中のK邸では”せがいつくり”を採用する予定だ、現在プランと架構の検討中、”せがい”は妻側に張り出す部分に組むことになる、実際に目で確かめ参考にし…

瑕疵担保と設計者

基礎は物事の元になり、ここをおろそかにしては何ごとも成り立たない、住宅に於いても同じで、基礎は需要な部位だ。 基礎は建物の重さや地震力、風がもたらす圧力などを地盤に伝達したり、不同沈下による傾きを防ぐ役割を担っている。 基礎は鉄筋とコンクリ…

「木組のデザイン」ゼミナールと”せがいの家”

昨年の4月より縁あって、伝統的構法の実務家の第一人者である建築家の松井郁夫氏が主催する「木組のデザイン」ゼミナールの受講生として、1年間、1回/月、東京の松井郁夫事務所に通い、めでたくこの17日に修了証書をいただいた 。 「木組のデザイン」ゼミナ…

建築基準法改正?

前原誠司国土交通相は、民主党がマニフェストで掲げた建築基準法の見直しについて、改正案を来年(1月召集)の通常国会に提出する方向で検討を進めている、内容は、建築確認日数の短縮、提出資料の簡素化、違反に対する罰則の強化が骨子のようだ。 思い起こ…

デッサン

近代建築の巨匠、ル・コルビジュエは言う。 「毎日、私の生活の一部をデッサンにあてた、形態の秘密に辿りつこうとして、デッサンすること、絵を描くことを決してやめなかった。」「私の仕事の探求の鍵は、そこにしかない」 住宅は性能と伴に、空間の質感やプ…

「現場対応力」

住まいに限らないが、使用期間が長くなると、あちこちに劣化現象が顕在化する、補修・補強・改修などにより再生が図られるが、すべての価値を失ったとき、住まいは解体除去される。 今年3件の耐震診断・補強計画を行う機会を得た、8月に起きた地震の影響で、…

貫と楔

日本の木造建築の架構は、竪穴式住居に見られるような掘っ建て柱式から始まり、3つの変革期を経て、現代の架構に洗練されてきた。 鎌倉時代の僧・俊乗坊重源が中国は宋の建築技術に学び、東大寺南大門に試みた通し貫による架構は、耐震要素としての壁を用い…

「地震 !」

11日の早朝、「ユラユラ……」と異様な揺れに飛び起きた。 東海地震か?と身構えたが、揺れはそのものは、短時間で収まった。 我が家はおかげさまで、家具の転倒や、物の落下、家屋の損傷は皆無。 室内を見渡し、家具等は、忘れるくらい前に、壁等に緊結済みで…

木造の接合部

木造の接合部は、一般的には仕口・継ぎ手と呼ばれている、建物に限らないと思うが、その架構を構成する線材や面材が、一箇所の接合部も無いシームレスな構造を有することができれば、例えば、常温で粘性と塑性をいったり来たりする性質を持った素材があるとす…

照明が似合わない空間。

設計を進めていく上でいつも最後に悩むのが照明の選定、雑誌などを見ても、せっかくの空間が目障りな照明で台無しになった写真をしばし目にする。 現代の日本人は、夜を明るくしたい欲求が強いように思う、室内は必要以上に照らされて健康的、隅々まで明るく…

この日曜日、国土交通省による【長期優良住宅先導的モデル事業】に採択された【200年住宅】の見学を行った。 この住宅の性能は、耐震性能は通常の1.25倍の強さ、省エネルギー対応も高基準レベルを採用しているそうだ。”耐震性能は通常の1.25倍の強さ”とある…

木炭と竹炭

床下に、調湿と消臭を兼ねて、木炭と竹炭を敷き並べてみた、炭のこれらの効用は、炭の表面積と炭化温度、炭の原料で決まるようだ。 炭の原料は大まかにいて、針葉樹、広葉樹と竹が考えられるが、今回は、広葉樹と竹の炭を敷いてみた。 炭の原料もある程度性…

竹小舞を家族で編む

やっと竹小舞の作業が始まった、と言うのも大工の刻みの段階で、間渡し用の孔を明けていなかったので、建て前の後にあける羽目になったからだ。 孔明けといえども4方を明けるとなると、結構骨の折れる作業で、特に梁や桁の孔あけは、仰向けでの作業となり、…

小舞竹と縄と

小舞竹と縄が現場に搬入された、あちこち探し回ったが、掛川市・菊川市では見つからず、やっと磐田市の竹材店を見つけ購入した。 時ノ寿の小舞竹は地元の竹(真竹)、この時は人海戦術で、伐採から竹割り、節取りまで可能だったが、今回はそんな方法がとれず…

マクロな視点とリアルな現実

年末年始に、派遣村が注目を浴びた、企業の調整弁としての非正規社員の実体は、前から報道されていたが、アメリカ発の金融危機以来の経済の落ち込みが、日本の経済のエンジンである自動車産業をも直撃した結果、これまで自己責任と突き放していた世論も、ひ…

歴史的に培われてきた木の使い方に学ぶ・その1

元日に山に神から、”歴史的に培われてきた木の使い方に学ぶ”と託宣を得た(勝手な思いこみ)。 山の神に”伝統的構法に学び、丈夫で長持ちする住まいづくりに取り組む”と祈った処、昨夜”歴史的に培われてきた木の使い方に学べ”と託宣をえた。 伝統的構法と言…

山の神に祈る

明けましておめでとうございます。 今年の元日は、時ノ寿の森での薪割りと、山の神が祀られる社への参拝で新年を明けた。 山の神が祀られる祠は、時の寿をさらに奧に分け入り、見るからに神聖な感じのする場所にあった。 大沢部落の守り神である氏神神社の脇…

建て前体験学習会

”離れ”の建て前もやっと決まった、来年1月の15日、28宿の奎の日、普請、注立は吉とある。 ”離れ”は、母屋に遅れること約2ヶ月半で、やっと建て前ができる、遅れた原因は、金物を使わないで建てることにこだわったために、何よりもコストの面ですりあわせが長…

床の間の起源

先日、建築士事務所の団体である静岡県建築士事務所協会創立20周年の記念大会があった。 僕も支部の役員をしている関係で、裏方として式典にかり出され、会場で記念講演会の来場者の案内を担当した、その際冷や汗を掻いてしまう経験をした。 来場者の一人か…

伐採現場に行く

昨日、天竜の素材メーカー(造材の切り出し、原木の加工・販売)のフジイチを訪れた、目的は、造材の伐採模様と材の乾燥についてご教授を受けるためだ。 若手林業家の案内…彼(Uさん)は山や木材のエキスパート、データも駆使した講義は説得がある、今回の訪問も…

穴だらけの木の断面

写真はヒノキの横断面だが、穴だらけだということがよくわかる、穴の集積と言っても良いぐらいだ。 *1 樹木は根と幹と枝葉の3つの部位から出来ている、根は水を吸収し、葉は水と空気中の二酸化炭素から炭水化物(糖分)を合成する、いわゆる光合成を行いエネ…

土をこねて整形して焼く…瓦の製造過程を言葉にすると、なんてシンプルなんだろうと思う。 瓦は仏教と共に(正確には寺院と共に)、百済を経て中国から伝来した、井上靖の歴史小説、「天平の甍」の映画が描いた唐招提寺の瓦屋根の姿(甍)、凛として立つ鴟尾…

菊川の住まい…新たな取り組み2

菊川の住まいは(離れ)は、架構を伝統構法で組むように計画している、となれば、もちろん壁も、木舞で土塗り壁でやる計画だ。 貫併用の土壁の強度と剛性の高さは、最近、見直されているところで、建築基準法でも塗り厚70で倍率1.5倍の壁として認められてい…

菊川の住まい…新たな取り組み1

2世帯住居、コートを囲い向き合う、若夫婦の空間は、リビングとダイニングが暮らしの中心、特にダイニングは大版のソイルセラミックタイルで床を構成し、アイランドカウンターがある活動的だが大人っぽい雰囲気の空間となる予定だ。 住まいの中心部に位置す…

設計者の誠意を伝えるツール

模型の役割は、他者へのプレゼンテーションの役割と、設計プロセスにおけ、設計者自身の、設計の確認作業の一面も併せ持っていると思う。 前者の役割を考えると、模型は、クライアントに設計プロセスの今を伝える意味で、最良のツールだろう。 2次元の図面…

 「女房と畳は……」

昔から「女房と畳は……」と格言が有るとように、暮らしと畳は切っても切れない関係にあり、我々日本人は畳に、特別な想いを抱いていたと思う。 畳は奈良時代に入り、寝殿造りの建築様式が確立されるとともに、畳も出現した、当時の畳は置き場所自在であったら…