レーゾンデートルは信頼

 現代の複雑な社会では、何事も外部に依頼しては物事が前に進まない。
他人の運転する電車に乗る、店で食事をするなどなど、日常的に見知らぬ人に生命や、財産を預けることだらけだが、それらの行為は信頼を前提にしないと前に進めない。

 でも、信頼は自明ではなく、互いの努力と精緻なシステムの存在なくしてはありえない、が、私たちはそんな努力やシステムの上に乗っかった便益を当然のこととしてを享受している、蛇口をひねれば水が出るごとく。

一方、精緻なシステムで信頼が保証されているのではなく、たまたま旨くかみ合って辛うじて成り立っているのかもしれないという不安はいつもつきまとう、例えば、福島第一原発の事故は、その危うさを垣間見せた。

 特に食の世界では、知らない人が作るより、見知った人が生産した方がいいと考えて人が増えても不思議でない。
 地産地消は、地域の資源の活用と共に、そのことが安心を買う所以だろう。

僕の本職である建築、特に住まいのことに目を転じると、HEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)、スマートハウススマートメーターなどITを利用した機械仕掛の住まいが、新たに住宅産業に参入したメーカーも交えて百花繚乱のごとく花盛り、百花繚乱と言えば聞こえいいが、どちらかというと玉石混交の方が正しい。

 創エネ、省エネ、エコと心に気持ちよく響くキーワードのオンパレードだが、そこに人さえも機械仕掛けでコントロールしようという鎧が見えてしまい興ざめだ。
 技術を駆使した機械仕掛のシステムがいかに脆いかは原発事故で証明済みだろう。

 ”時ノ寿・Standard・木組の家”は産声を上げて2年目に入る、今年が勝負の年。
”時ノ寿・Standard・木組の家”レーゾンデートルは言うまでもなく、住まいて、山、施工者(職人)、設計者の信頼を前提としたパートナーシップによる家づくりです。 地域が有する人的、物的資源のポテンシャルを最大限に発揮したい。
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