身土不二

  ご存じかもしれませんが、建築の世界ではスクラップアンドビルドと言う大量規格生産、大量消費のシステムがあります。
 「建築とは本来durable(不変的)で、維持管理の手を加えつつサステイン(可変的)させるものであり、建築技術はそうした前提の上に成り立つものである。」とは九州大学の福田晴虔先生の見解です。
 少し乱暴な結論かもしれませんが、スクラップアンドビルドといシステムが構造的に内包していた問題点が、サステイナビリテイを失わせ、さらにシックハウスという化学物質過敏症を引き起こす化学物質で汚染された環境を創り出してしまったとも言えます。
 さて、身土不二という言葉をご存じでしょうか、スクラップアンドビルドとは全く反対側にある概念で、身(食べ物)と土(土)は不可分の関係にある、不可分なんて言葉を使うと、不二という言葉に込められた意味が判らなくなってかもしれないが、人は生きるその土地土地の産物と生きるにがよいということらしい。
 そして、生活の様々な場面で身土不二が指摘されるようになった、住まいも同じだ、近くの山で算出した木、竹、土、身元のしれた材料に安心し何より愛着を感じる、そんな住まいづくりである、循環型住まいづくりや近くの山で家をつくる活動などなど。
 
 掛川在住のMさん、彼は30年ほど前まで里山の暮らしを営んでいた集落の出身者、その集落は現在では廃村となっていて、廃屋が点在するだけ。
 彼は、体に宿るDNAに揺り動かされるように、かつての里山の地で身土不二を実践しようという思い駆られ、5,6年前から準備を始めた、今年はその仕上げの年にしたいという思いを強くしている。
 その彼から電話があり先週の金曜日、里山を訪れた、掛川市大沢という場所、市街地からくるまで30分ほど、沢筋に10分ほど進むとそこはあった。
 中電の送電線の工事のために、その一角だけが木々の海がぽかっと空いた場所だった。
 そこで、いろいろ熱い思いを語ってくれた。
その内容はまた後日ということで、楽しみにしてください。