情報リテラシー

情報リテラシーという言葉がある、自分にとって必要な情報や知識を得る技術とでもいうのだろうか、住まいを取得しようとする人たちの情報リテラシー能力には常に疑問を持ってしまう。
 過日住宅金融公庫の広報・住情報相談課の職員、住宅ローンの現状の話を伺った。
 住宅ローンの金利タイプは3種類ある、長期固定金利、変動金利、固定金利期間選択型の3種類です、これらの3種類の内で住宅取得者がローンを利用しようとした時、どの金利タイプが一番多いかというと、この低金利の時代だから当然長期固定金利かと思ったら、固定金利期間選択型それも当初3年固定タイプが多いそうだ、理由を伺ったら、取得者がしっかりした知識を持っていないことにつきるらしい。
 このタイプは当初の金利がかなり低く設定されているため(固定金利期間が短いほど適用金利は低い)、当初の返済額の小ささが魅了的に映るらしい、そこに額融資担当者あるいは住宅メーカーの営業マンの巧みな話術にはまってしまう原因があるのだろう。
 固定金利期間選択型の3年固定タイプだと、当然4年目から変動金利になる、変動金利とは金融情勢の変化に伴い返済途中でも金利が変動するため、金利がアップした場合、返済額が大幅に増えてしまったり、(返済額が大幅に増えると)ある期間、利息ばかり払う(元金が減らない)状況になってしまう、その上金利の変動幅が変更前の1.25倍以内というルールさえない。
 さらに、返済方法についてはどちらが多く利用されているかというと、こちらも僕の予想に反し元利均等返済が多いようだ、元利均等返済は元金均等返済に比べ総返済額が多い、例えば、2000万の借り入れで、金利%、30年返済の場合、元利均等返済で初回の返済額が84,320円、総返済額30,355,392円、利息分は10,355,392円、元金均等返済では初回の返済額が105,555円、総返済額19,024,912円、利息分は9,024,914円となり、総返済額をみると、元金均等返済の方が1,300,000円強ほど有利だ。
 ただ元利均等返済は初回の返済額が低かったり返済期間中の返済額が一定であるための返済計画が立てやすいというメリットやありますが。
 この公庫の職員の話を聞くにつけ思ってしまうのは、先の情報リテラシーのこと、今の世の中、その気になればいくらでも情報を得ることができる、どちらかというとその真贋を確かめることの方が大変なくらいだ、唐突で大げさな言い方だが日本は一個人を守ってくれるセーフネットが未整備だ、国民のマイホームを手に入れたいという夢の実現にずっと役に立ってきた住宅金融公庫を、こんなにもあっさりと廃止(平成18年4月から独立法人化し直接融資はほぼ廃止の方向らしい)してしまうのを見ても明らかだ、自分は自分で守るしかないのだ。
 それなのに、彼らは、自分にとって有益な情報を得るために手段や方法を知らないのではなく、おそらく知ろうとしない、さらに、そういう時間さえ自分で作ろうとしない、安直に情報提供者の誘いに乗ってしまう、”安物買いの銭失い”という諺があるが、大きな借金を背負うというその時さえ、自分にとって正しい選択を人にゆだねる傾向があるように思う。
 そのメンタリテイーは何なんだろうと思うこのごろ。