passarella2007-01-08

天井のパインがしっとりと濡れ色で色っぽい、Sさんが一生懸命パイン材に塗装を掛けたのが一目で分かる。
 住まいが大型消費財となり、みんなでつくるのではなく、車や家電製品のように買う対象になって久しい。
 昨日興味深いTVの特集を見た、内容は、手抜きで建てられたマンションの住民とデベロッパーの諍いの顛末だ。
 地震によってデベロッパーや建設会社の手抜き行為が白日の下ととなり、知らずに購入した住民がデベロッパーや建設会社の責任をどのように追求し、デベロッパーや建設会社がノラリクラと責任逃れを行い、果ては彼らの巧みな作戦で住民達が分裂していく様を見せていた。
 印象的だったのは、住民の一人がインタビューを受け”デベロッパーや建設会社が有名な大手企業だったのでなんの疑問もなくマンションを購入したが裏切られた!”とはき出すように言っていた点だ、それも2度(一度は手抜き工事マンションの購入、2度目は手抜き発覚後責任も取らず見舞金で納得させられ、見舞金を受け取った後さらなる手抜きの存在を知らされたこと)、本当に学習能力がない。
 耐震偽造事件後の行った、マンションや戸建て住宅の購入に関する調査で、一番の防衛策が、デベロッパーや建設会社、大手企業から購入するだった。

 Sさんの住まいは地元の大工さんのの施工だ、だからと言う訳ではないが、基礎や構造段階では目を覆いたくなるような場面に何度も遭遇した、その都度ベストとばかり言えないが、その段階でベターな選択(手直し、修正、補強)をしてきた、現場での大工との言い争いや喧嘩は避けられない。
 僕らにそうさせるのは、クライアントが目の前にいるから、顔の見えるクライアントがいるからだ。
 
 住まい造りに参加できた楽しそうなSさんを見ると、キットこの住まいに深い愛着を持って、住まいと共に暮らしていくだろうなと思えることが想像に難くない。
住宅を購入するものだとは決して考えていないから。