木舞と竹

passarella2007-04-18


 伝統的構法の木造建築物における、主要な耐震要素として土塗り壁がある、その効果(耐力)のほどは土塗り壁の塗り厚さにより相当幅があるらしいが、耐震の診断基準では塗り厚に比例するとしていて、50mm以下、50〜70mm、70mm以上と分けている。
 土塗り壁は外力への抵抗の仕方では、せん断抵抗系のタイプとなる、この土壁のせん断抵抗で効果的に力を発揮するためには、まず第一に土壁の下地となる木舞の縫い方、次に荒壁の塗り方、三番目に中塗りの塗る時期が大切だ。

 土壁の抵抗のメカニズムは後述するとして、土壁が効果的に力を発揮するための第一の要素である木舞について考えたい。
 
 竹は古来から暮らしのいろんな場面で使われたらしい、それは竹のかこうの容易さその豊富にあったようだ。
 建築用材としては竹の物性である”しなり”や、清々しい美しさが、数寄屋やわび茶の茶室に使われたのだろう。

 また縫い合わせると強さと弾力性に富み、重量を支える事のできる特性や縮まないと言った特性は、建築の壁の中でも力を発揮し、重宝がられたことは想像に難くない。

 さて、建築に使われる竹は5年経てば建築用材として使える用だが、種類としては、マダケ(真竹)やハチク(破竹)がある、孟宗は目が粗くあまり建築には使われない。
竹の種類
 竹の年数は葉の付け根を見ると分かるようだ、付け根についている節の数が竹の年齢に相当する、また竹は非常に虫が付きやいので、秋切りでなければダメ、木より切り旬の時期は限られている。

 今回はマダケとハチクを使ったが、竹屋さんの話では、切り出した竹は、太すぎるようだ、肉が厚いと割るのにも手間が掛かるが、木舞壁にしてからも、塗る土の量が多くなり嫌われるらしい。


 実際やってみて、それも頷けると合点したことは言うまでもない。

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