耐久性は

passarella2008-01-25


 木造の法定耐用年数は住宅で22年、鉄筋コンクリートで47年となっている、本来、木材は循環型の資源であり、木造は古材を再利用することを前提の技術に支えられた再生可能な住まいだったのに、いつからかそれは失われつつある。
 でも、地球環境問題を避けて通れない今、これからの住宅における、その耐久性は、住まいに求められる基本的な性能の中でも重要な条件の一つになるだろう。
 住まいの耐久性を決定づける要因は、住まいを構成する材料自身の特性、材料の組み合わせや形態、保守性に負うところが大だ。
 材料自身でいえば、木材の腐朽や虫害、コンクリートの亀裂や中性化は、住まいの耐久性に著しい影響を与えるだろうことは、想像に難くない。
 木材における、コンクリートにおける水分の問題は、高耐力化と高耐久性に密接に結びついている。
 木の耐久性を決定づける劣化要因は腐朽菌害と虫害特にシロ蟻だろう、ともに木に含まれる水分量が影響する、高含水率材は耐久性と強度の面で大いに問題がある。
 
 コンクリートではどうか、良いコンクリートとは1)まだ固まらない間は作業に適する施工性をもち、2)硬化した後は所要の強度、耐久性、水密性をもつコンクリートだ。
 使用材料の良否はコンクリートの性質・品質に影響する、調合(水セメント比、単位セメント量など)の良否は強度・耐久性・施工性に影響を与え、打ち込み、養生の良否は強度と耐久性に影響を与え


*

 一時期話題になったが、コンクリート打設時、作業性を高めるため、調合されたフレッシュコンクリートに不法加水したなどという裏話が暴露されたりもした、いわゆるシャブコンだ、加水は、著しくコンクリートの耐久性と強度を下げる コンクリートは骨材(砂と砂利)とセメントに水を加えてつくられる、セメントが硬化するプロセス、水和反応には水が必要になる、このときのセメントと水の量の比を水セメント比といって、コンクリートの耐久性と強度を決定する重要な指標となる。
 一説ではこの水セメント比は25%ともいわれているが、国土交通省大臣官房営繕部監修の木造建築工事標準仕様書では65%以下となっている。
 一般的に用いられている設計基準強度21knのコンクリートの水セメント比は60%ぐらいだ、水セメント比を下げていくとコンクリート強度はどんどん上がっていく、さらに注目される点はコンクリートの中性化http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%80%A7%E5%8C%96 
の速度が遅くなる点だ。
 セメント比が小さいほど、コンクリートは緻密になるため、中性化速度は遅くなる。
 中性化が進むと、コンクリートの中の鉄筋に錆が発生し、成長し、やがてコンクリートを剥落させる、このとき鉄筋コンクリートの寿命はつきる。
 
 工事の始まる事前に、コンクリートの配合書をチェックしなければならないし、現場では配合報告書どおりのコンクリートが納入されたか、フレッシュコンクリートを採取して、試験を行う、さらにテストピースを採取して、強度試験を行い、適切な強度が発現しているかの確認することは、耐久性高い鉄筋コンクリートの基礎を住まいをつくる第一歩となる。 
 
 水セメント比って何?
 水セメント比とは、セメントの重さに対する水の重さの割合のことで、水セメント比40%とは、セメントの重さに対して水の重さが40%の比率で入っているということです。