断熱する。

passarella2008-02-25

 「住まいの断熱性能をどんなレベルにしましょうか?……」
断熱性能について基本計画の段階で話し合うことはあまり多くない(僕の場合)、一般的には、断熱材は入れればいいだろうぐらいの感覚の人が多い。
 実際、どんな生活・暮らしをイメージしているかで、住まいの性能は決まってくるのだろう、でも具体性を持ったイメージを抱いている人は少なく、だから、具体的なイメージから浮かび上がるだろう、住宅の性能(断熱性能にかかわらず)について話し合うことは少ない。
 設計サイドも性能について、これを、的確に答えられない場合が多いので、クライアントから質問がなければ、特にこちらかも言及しないことが多い。
 僕の場合は、クライアントから指定がなければ、グラスウール(24kg/m3)を使う場合が多い、施工方法さえ的確ならばこれで十分の性能を発揮するはずだから。
 問題は的確な施工方法だ、初めて仕事をする工務店には、事前に”断熱の重要性、施工の良否が住宅の断熱性能を決め、住まいの快適生を保証する”ことを説明し、このことを理解の上、施工をしてもらっている。
 
 さて、何が、断熱性能の良否を決めるのだろうか、それは隙間。
 でもこれが”言うが安く行うは難し”だ、グラスウールは流体でないから、どうしてもグラスウール同士や、柱などの間に隙間ができてしまうし、筋交いなどの斜材の間、設備のボックスやダクト廻りはグラスウールを埋めきれず隙間ができてしまう。
何故隙間があるとだめなのかは、ヒントは空気の流れ。

 赤目が谷の家のKさんは、その生活スタイルから、断熱材も植物繊維系か木質繊維系を指定、コストと施工性から木質繊維のセルロースファイバーで断熱をすることにした。
 セルロースファイバーは新聞紙等の古材をリサイクルしてつくられ、細かく裁断された紙を壁に吹き込むので、隙間ができにくく遮音性もいい。
 また、責任施工で、業者も断熱施工の意味をよく理解していて、きちっと施工してくれる可能性が高い点などで選択した。

 日本は1年間に夏と冬が必ず2回訪れることを考えれば、その断熱性能をきちんと高めることが、快適に暮らす条件となるはず。