「女房と畳は……」

昔から「女房と畳は……」と格言が有るとように、暮らしと畳は切っても切れない関係にあり、我々日本人は畳に、特別な想いを抱いていたと思う。
 畳は奈良時代に入り、寝殿造りの建築様式が確立されるとともに、畳も出現した、当時の畳は置き場所自在であったらしい、ものを積む、重ねるの意味で畳まり(たたまり)という名詞から畳みと称したようだ。
しかし、畳は近年まで貴族など上流社会のものだったというのも事実で、庶民の暮らしに登場するのは明治になってから、特に農家は板敷きが中心だった。

 赤目ケ谷の家では、最近では珍しく20畳の畳を敷く、畳は寝ころんだりして、くつろぐから、その肌触りや材料の安全性も当然関心事になる。

 畳は畳表と畳床、縁からなる、畳床は畳の芯となり、芯材が足の感触を決め、心地よくも悪くもする、歩くたびにぶかぶかする畳は味気なく気もちの悪いものだ、最近はポリスチレンフォームなどのいわゆる新建材の畳床がずいぶんと多くなった、僕などは足の受ける感触がどうもフィットせず、なじめない。
 ポリスチレンフォームなどのいわゆる新建材が出現した理由は、防虫効果が大きいと思う。
 畳の弱点はダニや昆虫で、昔にように畳干しができにくくなっているし、塩素系の防虫処理剤は健康面で危険が大きい、新建材の畳床はその点で優れている。

 畳表は畳の表面に張る、畳表に使う藺草は藺草科の多年草で、吸放湿性が優れ、肌触りも良い。
 藺草の種類で備前表、備後表、琉球表がある、そのなかで備後表が最上級とされているが、ここ近年沖縄ビーグという畳表が注目を集めているようだ、沖縄ビーグはかなり太めで、肌触りもすこぶるよい。

赤目ケ谷の家の畳屋さんは、研究熱心、事前の住人への説明も丁寧でわかりやすい、事後には製品仕様書と履歴と安全データシートを渡してくれた。

 畳データ

畳床 宮城県産 稲藁畳床 
畳表 熊本県産 3番
沖縄ビーグ表
防虫施工 マイスタットシートくるみ込み(ホウ酸処理)