「女房と畳は……」の誤解

「女房と畳は……」という格言を、宴席などで、女房も畳も…と酒の勢いをかりて、世の女房族の眉をひそませる輩がいまだにいるが、この格言の意味をまるっきりはき違えていると思われるので、ここでただしておきたい。

 「女房と畳は……」とは、畳を大切に扱う、同じように陰で支えてくれる女房の労をねぎらう、そうすることで、いつも互いに新鮮な感じを持つことができる、という訓戒の意味を持つ言葉だという。
  畳はいつも足に踏みつけられ、尻に敷かれている、無造作に扱えば痛みやすい、痛めば居心地が悪くなる、毎日のほうき掛けとからぶきでつやをだし、時には直射日光が当たらないように陽を遮り、畳表がすり切れれば裏返しにして使う、そういういたわりの気持ちが、畳に永い命を与えてきた、夫婦の関係も全く同じ、味わいのある格言だと思う。
 


 上左の写真は左が沖縄ビーグ表(沖縄で一般的に使われている畳表、表面はツルツルしていて草は硬く、非常に丈夫。)と3番表(右)。
 上右の写真は、畳表右から1番(最上級)で一番左が5番表(3番は真ん中)までの畳表を巻いた断面、1番表は藺草が太いので巻いた断面が大きい、当然耐久性があり丈夫 畳表の善し悪しは、この藺草のほかに、藺草を編み込む縦糸も重要、縦糸は綿だけ、麻だけ、綿と麻、麻ダブルの4種類があり、麻ダブルが一番上等。
いずれも熊本天一表(北出親畳会)
  ボカシ肥料などを用いた準有機栽培、減農薬栽培、泥染めで低温乾燥品