設計者の誠意を伝えるツール
模型の役割は、他者へのプレゼンテーションの役割と、設計プロセスにおけ、設計者自身の、設計の確認作業の一面も併せ持っていると思う。
前者の役割を考えると、模型は、クライアントに設計プロセスの今を伝える意味で、最良のツールだろう。
2次元の図面だけでどうしても無理があり、認識の違いや、勘違いを埋めることはできない。
設計行為は、クライアントの依頼があって初めて行われるが、だから、設計行為はクライアントとの共同作業でもある、これまでの経験から言うと、模型は、この、共同作業という意識を持ってもらうに一番有効なツールだし、設計者の誠意を伝える大事なツールでもあると思っている、スケッチなども、今のイメージを伝える芋で有効な手段ではあるが、誠意を伝えるという意味に置いて、模型に軍配を揚げる。
もう一つ模型は、設計者自身の、設計プロセスの確認の意味でも有効、いわゆるデザインスタデイのツールとして非常に必要だ。
まず建築は美しくなければならない、この時美しさの要素として、古来”比例”を考えなければならない、比例には形・形態と色がある。
初期の段階の模型は、美さを決定づける要素のうち、 arrangemennto(配列)・proportion(比例)・curve(線・面)の形・形態の美の検討に役立つ。
O邸の模型は、この今の段階をプレゼンテーションするための模型であり、敷地や既存の建物との関係を伝えるための模型でもある。
設計プロセスの”今”はしっかり把握していただいたことはクライアントの言動から良くわかった。
設計者の誠意も…… これ以上書かないのが花。