気流止め


住まいの生理的な快適性を決める要素に、断熱性能があります、この断熱性能を確実なものにするためには、手抜きのない施工や、断熱の意味をしっかり知った上での施工が重要です。
しっかりとした断熱性能を持った住まいとするために、やらなければならない施工の方法は、充填断熱の場合
 1:熱的境界を隙間なく施工する。
 2:湿度のコントロールのために、室内側に防湿シート、外壁側は防水・防湿シートで包む。
 3:外壁側は空気層(通気層)をつくっておく。

となります。



この中で、あまり意識されないのが、1)の熱的境界です。

 たとえば、冬の夜のことを想像しください、仕事での疲れをとるのに睡眠は欠かせません、安眠を妨げる要因はいくつもあるかもしれませんが、寒さは大敵です。
 大体、僕らは寝具で寝ますが、寝具は、敷き布団と掛け布団の組み合わせでできていますね、寝具それ自体がいくら暖かい羽毛だとしても、掛け布団が小さくて敷き布団とのあいだに隙間ができては、寒気が侵入してきてしまいんます。

 これを住まいにたとえると、寝具は断熱材、敷き布団と掛け布団の隙間は、壁と床・壁と天井の交差部を指すこと考えられます。

 この交差部は、壁がある外壁側にも室内を仕切る間仕切り壁にもできます、特に間仕切り壁は断熱材を施工することはありません、ということはこの交差部が断熱的に無防備状態、外気が天井や床下を通して、壁の中に流れ込んでいる、すなわち、熱的境界が切れていることになり、断熱性能は著しく低下します、 冬の布団を考えれば明らかですね。

 その交差部をふさぐ役目をする部材を”気流止め”と言いい、特に特別な部品ではなく、材木片でも、隙間を塞ぐことができれば機能は果たせます。
最近は床をパネルで施工する現場が多いので、意識しないで交差部がふさがれている場合が多い、でも、まだ床と天井部分、特に下屋との境界部分は、まだまだそのままの場合が見られます、熱的境界という概念をしっかり把握したいものです。