伐採現場に行く
昨日、天竜の素材メーカー(造材の切り出し、原木の加工・販売)のフジイチを訪れた、目的は、造材の伐採模様と材の乾燥についてご教授を受けるためだ。
若手林業家の案内…彼(Uさん)は山や木材のエキスパート、データも駆使した講義は説得がある、今回の訪問もUさんの話を、直接聞くことも大きな目的。…で、人工乾燥の手法と目的、葉枯らしと天然乾燥のメリットやデメリットの説明を受けた。
先の”巨木を巡る”旅でも案内人の塚本さんも言っていたが、リグニンのコントロールが人工乾燥で重要らしい、リグニンとは樹木の組織を構成している、主成分のひとつで、(樹木の種類によっても含有量や配分は異なる)全体の約20%の比率だ、残りはセルロースとセミセルロースで、45%と30%の構成比率で存在するらしい。
リグニンは、高分子物質で、樹木の細胞と細胞を結合させるためのバインダーの役割を負っている、リグニンの含有密度が、樹種の柔軟性や強度を決定づけているようだ。
実は、”き”組の講習会で木材の人工乾燥についての話があり、少し話があやふやだと感じたので、実務者に確認しておくべきだと感じていたことが、今回の訪問の端緒だった。
木材は木材の含水率と強度はとっても密接な関係にあり、用材として住宅に使用するときの、材の乾燥の具合、含水率のチャックはとても重要だ、せちがらい現在では、効率よく物事を運ぶことが第一なので、木材の乾燥も当然人工乾燥に頼ることになる。
しかし、数値ばかりにとらわれるのではなく、もう一度乾燥の目的を再確認することも必要だと思う、と言うのも最近何でもかんでも数値化する傾向にあるが、これは特に役人の責任逃れでもあると思うからだ。
話を伺った後、伐採の現場を見に行った、Uさんの話だと、近年大学出の、それも林産科を卒業した学生が山の現場を希望する学生が出てきたそうだ、今日伺った現場で実際伐採に従事していた一人は静大卒とのこと。
見に行った現場は、幹線道路から数十メートルのところだった、悪路を覚悟していただけに拍子抜けしてしまった、天竜ではこんな現場がおおいらしい。
Uさん、僕一人のために時間を割いていただいて本当にありがとうございました。
多謝九拝。