建て前体験学習会

passarella2008-12-31



 ”離れ”の建て前もやっと決まった、来年1月の15日、28宿の奎の日、普請、注立は吉とある。
 ”離れ”は、母屋に遅れること約2ヶ月半で、やっと建て前ができる、遅れた原因は、金物を使わないで建てることにこだわったために、何よりもコストの面ですりあわせが長引いてしまったためだ。

 機械でのプレカットが主流の現在、昔ながらの継ぎ手、仕口の加工は生産性が悪く、どうしても大工の人工がのびてしまう、施主としても有り余る資金があるわけでなく、手加工とプレカットの仕分けに手間取った、どこで妥協するかが分岐点となったが、部分的に金物併用(アンカーボルト、胴差しと中引きの仕口の一部、小屋柱と梁の仕口)でいけることになった、年越しの協議にならずほっとしている。

 暮れに加工場で材料の確認も終わり、すでに加工が始まっている、15日の建て前が楽しみだ。


 写真は架構の模型の部品だ、加工された土台、柱(柱はまだ足りない)胴差し、梁、桁が建て前前に搬入されている状態。

 まだ、吹き抜け部の梁や桁、化粧垂木や母屋、何より棟木の太鼓の丸太も制作していない、できれば正月中に加工したい思っているが、最悪”離れ”と同じ時期に建て前となりそうだ、施主には年始には完成させますと言ったあるが……。

離れは幾つかの点で工夫がある、特に中引きと呼ぶ、梁を井桁状に繋ぎ、架構を固める材は、「き」組が取り組んでいる「木組みの家」を参考に取り入れた、互いの材を渡り腮で納める仕口は、木と木の面接触で応力を伝えるきの特性を活かしている意味で優れている。


 壁は竹小舞+土壁で仕上げることになっている、竹小舞+土壁はナット言っても日本という気候風土の中では優れた工法だ。
 小舞+土壁は、ほんの40年ほど前まではどこにでもあった風景だったが、高度成長期と時を同じくして急速に消えていいった。
 今回大げさに言えば、10000年もかけて洗練されてきた小舞+土壁を、体験・学習の場として設ける予定、素材にさわり、実際に手を動かすことでおもしろさも倍増するかもしれません、興味なる方は是非どうぞ。

 今後の予定
  -建て前後の構造の見学会……1月後半
  -竹小舞+土壁体験学習の場……詳細は1月中旬にお知らせします。

 2008年も後12時間ほど、今年は年も押し詰まって、米国は発の金融危機がら始まった世界同時不況は、来年に暗い影を落としている。

 2009年は、笑顔で年越しを迎えられる年になればと思う、良いお年をお迎えください。