床下だから分からない?

 基礎は、住まいの構造的安全性を考える上で、重要な部位だ、木造の架構がいくら頑強でも基礎がいい加減だと、住まいの安全性は保障できない。
 上部構造部である柱や耐力壁から伝わってくる荷重や、地震・風よって生じる力を支持し、地盤に伝える役目を負っている。
基礎は、鉄筋とコンクリートが現場で一体化されて造られ、欠損無く一体化されている時に、所定の求められた力を発揮する。

 それが、削りとられていたとすると、どう思うだろう。


 写真は、耐震診断の調査に訪れた、あるお宅の床下の基礎の無惨な姿だ、家人の話だと、床下の通風を確保するために、床下換気扇を設置した際、無法にも斫れたらしい。

 確かに床下を這って見渡すと、外周部には床下換気口はあるが、内部の基礎には開口らしき箇所はない、よって、床下の通気はすこぶる悪く、湿気が停滞しても不思議ではない。

住まいの耐久性の確保のために、床下を通風や換気によって、乾燥状態を保つことは重要ではあるが、そのために基礎を斫り、鉄筋さえ切断するのは、悪因悪果のたぐいだ。 

 しかし、無知とは恐ろしいもので、知識がないからこそできる行為なのだろう。