「おもしろきこともなき世を(に)おもしろく…」
「おもしろきこともなき世を(に)おもしろく…」 とは、かの奇人と呼ばれた高杉晋作の辞世の句だ。
僕ら凡人には、この世は思いどうりにならないことばかり、でも見方を変えれば、苦痛に感じることも、面白く思える、自分の思い通りに行かないに唯々諾々と従うならば、心の有りようを変えことで、物の見方は変わり、面白く生きることができるというかとか。
時ノ寿の森の管理人の時ノ寿での活動は、この高杉の句を実践し、実験していると言って良い、そして写真の彼らは、その思いの面白さに共鳴し集まった衆だ。
「おもしろきこともなき世を」は管理人にとって、うち捨てられて、荒廃していく里山の現状をさしている。
近代化の名の下に、押し寄せた波は、小さな里山(時ノ寿)を飲み込み、時ノ寿は以来30年以上時間が止まっていた。
今、また時ノ寿は時間を刻もうとしている「…おもしろく」をひっさげて、さて、管理人は時ノ寿に時を取り戻すことができるか、楽しみだ。
晋作を看病した野村望東尼(のむらもとに)が、晋作の句に続けて「住みなすものは心なりけり」と詠んだと言われている。