リスクコントロールとヘッジ

 ”リスクって何だろう”今、話題の勝間和代氏の著書・「お金は銀行に預けるな」にリスクに関する興味深い解説があった、
 …リスクというのは、あくまでも計量可能で、コントロール可能なものを指します。逆に自分自身で計量できなかったり、コントロール出来ないリスクはリスクといえず、単なる危険(ギャンブルなど)を指します。…
 英語のリスク(Risk)もデインジャー(Danger)も、日本語ではどちらも「危険」と翻訳される場合が多いと思う。
 
 司馬遼太郎は「峠上」で幸福の規範に当てはまる小才の男の姿を
 …自分の一生に疑いも持たず、冒険もせず、危険の淵にも近づかず、ただ分を守り、一生を過ごす。…
 そんな真面目な小器量者を国宝に例え「一隅を照らす者、これ国宝」と天台宗をひらいた伝教大師の言葉を借り述べているが、今の代では、国宝であったとしても、暮らしの中ではリスクを避けては通れない、それらのリスクをヘッジする意味で保険があり、どうヘッジするか、保障とリスクの度合いを決めるのがリスクコントロールだろう、ただリスクコントロールの目的はリスクをゼロにすることはできないが。 
 中堅の住宅会社である富士ハウスが自己破産してやく一ヶ月になる、報道によると、再建会社が業務を引き継ぐようで、今は、被害に遭われた個人の建築主や下請け等、関係する会社の被害が最小限に収まることを願ばかりだ。


 住宅の取得は個人にとって、夢であると伴に、大きなリスクを背負うことなる、この場合の考えられるリスクは、まず第一に工務店(建設業者)の信頼度だ、信頼度は技術力とコストマネージメントそして体力(財務内容)などが考えられる。  
 欠陥住宅を生み出す施工不良や施工ミス、意図に反する施工、工程管理の杜撰さは施工の精度に影響するしコストに跳ね返る。
 富士ハウスのケースのように工事中の倒産は、多大な心労と貴重な資金が奪われる結果となり、最悪の場合住まいそのものをあきらめざるを得ない。

  耐震偽装問題で指摘された消費者保護の対応(リスクヘッジ)として、新築住宅について、住宅品質確保法に基づき、売り主及び工務店(建設業者)に対して10年間の瑕疵担保責任を負う住宅瑕疵担保履行法が10月1日より施工される。
 工事工程とは瑕疵発生の直列的連鎖の成長に他ならない、従ってその連鎖ごと一つ一つ安全性を確認してゆく作業が必要であるが、住宅瑕疵担保履行法に基づく現場検査員は検査員が、基礎配筋完了時と躯体施工完了時の2回検査にやってくるに過ぎない点を考えれば、多少のリスクヘッジはできても大いに安心というわけには行くいまい。
 
 住宅瑕疵担保履行法が万能薬でないことも知っておかなければならない。