エコポイント対象住宅1

 今工事中の住宅が、エコポイント対象住宅判定基準に適合している証明書を審査機関から受けた。


 住まいの備えるべき性能として、耐震性や耐火性等の外に温熱環境がある、温熱環境とは温度や湿度、通風が及ぼす室内の快適性のこと、夏室内の湿度、温度とも高ければ不快に感じるし、冬室内が寒く隙間か風が吹き込むような室内環境はとても快適とは言えない。

 そこで、温度、湿度、風(空気の対流による熱の移動)、日射などの指標を定めて、住まいが外気の影響に左右されない環境をつくり、合わせてエネルギーの総量を削減することを目的に省エネルギー基準なるものが施行された。

 でも、それを達成する住宅を高気密・高断熱と命名し、こともあろうか魔法瓶のそれと比較したため、息苦しいいイメージが先行して、あるいは住宅メーカーの差別化の道具として使われたため、この技術の住まいを快適性ふくらませるデザインとしての側面が見えにくくなり、断熱化の経験の浅い温暖地(関東以西)ではほとんど無視された。



 実際、僕は、パッシブクーリングやパッシブヒーテーングにもっぱら関心があり、高気密・高断熱の様な手法は、住まいを閉じる方向に向かわせ、自然との親和性が薄れると言う思いが先行しなじめなかった。

 僕の設計の主眼の一つは、”温熱環境を整え上で、外と内に住まいを開く”に於いているが、ある時、住まいを開くことと、気密と断熱を確保することは反対向きで無いことを知った、いってみればパッシブの手法がつくりだす空間の良さを引き出すようにアクテイブな技術を使う、”そう!高気密・高断熱でなく、必要な断熱性能と気密性能で”


 前置きが長くなったが、住まいには”必要な断熱性能と気密性能”を仕組まなければならないが最近の僕の考え、今回のH邸も同様、この考えの延長線で設計した。
 昨年暮れ、政府が突然住宅のエコポイント制の導入を発表した、それ以来、断熱仕様の変更などエコポイントに振り回され続けたが、エコポイント対象住宅証明の得られるまでの日々を振り返ってみたい。