”せがい”

ゴールデンウイークの中日、馬篭宿を訪れた、観光と”せがいつくり”を確かめることが目的で訪れた。

 今計画中のK邸では”せがいつくり”を採用する予定だ、現在プランと架構の検討中、”せがい”は妻側に張り出す部分に組むことになる、実際に目で確かめ参考にしたかった。

 
この”せがいつくり”が旧中山道沿いの宿場町に多くあることは聞いいていたが、今回時間をつくり訪れることがでできた、馬籠から妻籠を回ってきた。
  
 ところで”せがいつくり”とは「近世の民家において側柱上部から腕木をつきだして小板を張った棚をもつもの、和船の両舷胃あるにある船棚ににていることからこの名称がでたと思われる」と辞典にある。
 出典:「日本列島・伝統構法の旅」:建築知識

海に面していない中山道でこの”せがいつくり”が多くつくられた理由は、「宿場街のアーケード的な役割と雨と雪をしのぐ機能を併せ持っていたのだろう」とどこかで聞いたことがある。




 馬籠宿の”せがいつくりは”2階梁がそのまま伸びて”せがい”となっていた。

 日本各地の伝統的な特有な架構をもつ民家を訪ね歩いた松井郁夫氏は著書「日本列島・伝統構法の旅」:建築知識で、「一口にせがいつくりといっても詳細に見ればいくつかの種類に分類できる」と述べているが、ここ中山道の馬籠・妻籠は僕の見た限りでは2階梁がそのまま伸びたタイプだった。
 写真にあるように、民家の”せがい”はどれも、受け材から数えると3段組みになっている。

 K邸では4段組みにする予定だ、4段組にして、”せがいつくり”の架構のダイナミックさと躍動感をより強調したいと考えている、また2階がせり出す”せがいつくり”は住宅のファサードに深い陰影を与え、楽しい表情を作り出すこともこの構法の魅力だ。