択伐

 先日の土日に、時ノ寿の森からI邸用の用材として、4寸と5寸の柱用に、ヒノキを30本伐採した、木が上げ始める直前まで、4月まで葉枯らしさせる。

 時ノ寿の森から、用材との択伐と出材はこれで2件目になる、これらの材は連携している製材屋さんから建築主に直接購入して頂き、大工の下小屋に送り、手刻み材とする予定だ。
 当初の計画では杉の梁材を予定していたが、I邸の基本計画が延びてしまい、乾燥の点から杉材は断念した。

いま、我々は、協働でつくる家づくりの仕組みと木組みの家づくりを模索している、そこでは、設計者としては、職人の腕を十分に発揮してもらえる場を用意する役割を負っているが、計画段階から伝統的な架構や士口・継ぎ手を組み込んでいる、そこは、伝統に裏打ちされた確かな大工技術を必要とするだろう。

 一方、材の流通や林業の現状の視点から見れば、川上から川下までを視野に入れた家づくりへのささやかな挑戦という気持ちもある。

 葉枯らしは、伐採後玉きり、出材をせずに、枝葉をつけたまましばらく林内に放置して、材の内部の自由水を枝葉からの蒸散させる方法、よって根を谷川に、裏っぽを山側に倒さなければならない、これが大変。