この夏の節電は

新聞やネットでは、浜岡原子力発電所の運転を停止した中電の今夏の電力供給力に対して危機感が表明されている。
 実際どうなんだろうか、中電のHPから探って見た。

供給余力 
HPによると中電の設備容量は32,632千kw、そこから原子力の3,504千kwと安定性のない風力6千kwを差し引くと29,121万kwとなる。
消費量はどうか、過去の最大電力の推移を見ると、2008年の7月に過去最大の28,210千kwを記録している、また、記録的な猛暑となった昨年、2010年7月に26,980千kwだ。
 これを目安とすると、設備容量に対する最大電力の割合は、2008年度で96.8%で余力3.2%は危険水域、昨年に対しては92.6%、余力は7〜8%で安定供給の目安内に収まる。
さらに中電の今年の見通しの25,600千kwに対しては88%で余力は十分だ。


節電量 
政府は、これまでは大口需要家(契約電力500キロワット以上)には25%、小口需要家(500キロワット未満)には20%、家庭には15〜20%の節電を求める方針だったが、これを一律15%に緩和する方針を決めたようで、でも一般家庭は20%の目標でいけばいいのではないか。
 と言うのも、原発を止めると停電が起こる、あるいは、計画停電で経済の停滞が起きるなどと不安は耐えない、そんな危惧を解消するために、まずは、一般家庭が節電に努めるとしたい。

 そこで、20%の節電の具体的な数値を探ってみる。
まず、昨年2010年の主要契約種別々販売実績から電力販売実績を見ると、年間総需要量130,911百万kw、そのうち一般家庭の需要は37,256百万kwで全体の28.4%だ。
  主要契約種別々販売実績では、各発電の内訳がわからないので、毎月発表される発受電実績(速報値)から探ってみる、下表がそうだ。

 表から、原子力と他社受電等の発電量を除くと、一年間の発電量は104,552百万kwになる、ちなみに7月は10,045百万kwだ。
 このうち一般家庭の使用電力量を主要契約種別々販売実績での割合28.4%と同じと考えると、29,745百万kwになる、これから20%節電で削減すると、削減量は5,949百万kw

 浜岡原子力発電所の2010年度1年間の発電量は16,648百万kwだから、そこから削減量5,949百万kwを差し引くと10,699百万kwになり、その電力量を火力でまかなった場合、火力の稼働率を68%から76%にに上げれば足りる計算だ。

 もちろんこれは机上の計算で実際稼働できるかは不明だが、中電も手をこまねいているわけでなく、川越火力発電所(4,802千kw)の定期検査延長や武豊火力発電所(1,125千kw)の再稼働の準備は始めている。

2000年の水準で 
なぜ20000年か、2000年の主要契約種別々販売実績を見ると、一般家庭の電力需要が31,711百万kwで2010年の37,256百万kwより5,545百万kw少ない、これは先ほど2010年の速報値20%節電量の5,949百万kwに近似する。
 とすると我々の日々の暮らしの電気使用量を現状の20%減、僕らの日々の電気使用量を10年前の2000年の生活レベルに合わせればいいことになる。

2000年はどんな年だったか、歌では、何か因縁があるのか、サザンのTUNAMIがヒットチャートを独走、コンピューターの2000年問題があり、北川三重県知事が県議会で声浜原発建設計画の白紙撤回を表明、雪印乳業集団食中毒事件やシドニー五輪の年。