電力に依存しない(依存しすぎない)暮らしの提案 

 東電福島第一原発事故を受けた毎日新聞世論調査で「生活程度が低くなっても電力消費量を少なくすべきだ」が65%、「生活程度を維持するために電力消費を増やすべきだ 」が32%で低くなっても派が上回った。

  質問の生活程度とは何を指しているのか明らかでないが、電力はエアコンなど熱源だけでなく調理、動力、照明、通信と生活の様々な部分で、暮らしを支えている、生活程度を落とすとはその支えを無くすことで、生活程度とは具体的に何を指すかわからないが漠然と不安を感じる…と言うことだろう。

ジエヴオンズの逆説
 イギリスの経済学者であるS・ジエヴオンズの名を取ったこのジエヴオンズの逆説とは
「エネルギーの利用効率の向上がエネルギー消費の減少をもたらすことはなく、その逆、消費を増大させる」という経済原則。
 効率が上がれば、その財、サービスの価格が下がり、そのため需要は増大するのだ。

1970年代以降、効率的でエネルギー単価の安い原子力(これは見かけ上の話で実際はその逆ということが今回明らかになった)に支えられ日本のエネルギー消費量は伸び続けた、下記のグラフでも著しく伸びている。


出所) 資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」


  このところ、大手ハウスメーカーは”やれ蓄電池だ!、やれ太陽光発電による創エネだ!、やれ電力見える化だ!”と騒ぎたて、”創エネ・見える化”の旗(少し前まではエコ・木の家だった)を立てて売り込みに忙しい。
 今考えなければならないことは、ジエヴオンズの逆説をしっかり押さえ、電気に依存する暮らしでなく、エネルギーの分散と電気に依存しない(依存しすぎない)暮らしの提案だろう。
 まず、パッシブなデザインがあり、地域性や敷地などでパッシブデザインが十分でないときにエアコンなどアクテイブな機器の出番だ。

 
 冒頭に戻るが、「生活程度を下げずにエネルギー消費量(特に電力消費量)を下げる」選択も設問に加えられたらと思う。
 
 ここから本題!
この7月から”時ノ寿 standard 木組の家”の提案をNPO法人時ノ寿の森クラブと協働で提案している、この提案では住まいのエネルギー消費量を2008年の標準住宅のエネルギー消費量の半分にする「1/2 Energy life」を基本原則・7+ONEで提案している。
 ”時ノ寿 standard 木組の家”の2棟目のエネルギーについては次回で述べたいと思う