光熱費 10,426円/月・17,424円/月

節電の夏を終え、人々は何を思ったのだろうか?
”エアコンなくても過ごせるじゃん!”が僕の感想、事務所のエアコンはこの夏は休業、自然風の気持ちよさを再認識し、風をどう通すか、太陽光をどう遮蔽するか、自宅ではどこに寝るかに頭をひねった夏だった。

 我が家の用に省エネレベルが平成4年基準の住宅と”時ノ寿 standard 木組の家”の基準(次世代型で窓強化)では、自然室温(*1)が4度ほど違うから、パッシブデザイン(夏は日射遮蔽と自然風の利用、冬は日射取得と蓄熱)がなされていれば、アクテイブな機器に頼る可能性は非常に少ないだろう、我慢せずに。

 南雄三氏は「被災直後の住宅のエネルギー源は何がいい」の問に「…薪ストーブなどアナログがいい…安心とは身の丈にあったもの。」と答えていたが、付け加えるならば、エネルギー源の分散と地産地消だろうか、パッシブ的な太陽光利用や木質バイオマスはその筆頭だ。

 ”時ノ寿 standard 木組の家”の2棟目の住宅のエネルギー消費(*2)を計算した。
 エネルギーは「エネルギーの分散」の原則に乗っ取り、電力、プロパンガス、木質バイオ、太陽光の4種類に分散。

 
表1)は基準となる次世代省エネ基準を満たし、2008年時点の標準的な設備を設置した住宅で、エコキュート、IHいわゆるオール電化の一次エネルギー消費量(*3)。


 表2)は時ノ寿 standard 木組の家の原則に則った住宅の一次エネルギー消費量と標準住宅に対する削減率を示す。
 
 エネルギー全体では1/2削減できなかったが、電力は60%以上の削減可能を示している。
 全体のエネルギーの削減が1/2に届かなかった理由は、居間に吹き抜けを造ったため、面積の割に容積が増加して思いのほかエネルギー消費が増えたことと、当初のプランより居間の南面する窓の面積が減った(床面積当たり16.1%)ため、考えていたパッシブソーラーの効果(蓄熱量は120KJ/m2・K以上確保したが)を得られなかったことだと思う。

 
表3)は暮らしで馴染みやすい二次エネルギー(*4)に換算して光熱費を算出してみた。
 電気料は契約容量40A(IH、エコキュート使用しない、回路工夫すると30Aでも?)で計算すると10,426円/月となった。
 暖房は薪ストーブ、住宅全体を薪ストーブで賄うと、約4,300Kcalの熱出力の薪ストーブが必要となる、一日5時間で21,500kcalにおける薪消費量(薪の熱量4,500kcal/Kg)は4.8kgで1ヶ月144kg→24束(乾燥した薪6kg/束)となる。




(*1) 自然室温とは日射取得熱や内部発熱のみによる冷暖房設備を使わない室温。
(*2) エネルギー消費量の算出計算は住宅事業建築主の判断基準 Webプログラム+自立循環型住宅ガイドラインの指標を使用した。 
(*3) 一次エネルギー:化石燃料資源(石油・石炭・天然ガスなど)
(*4) 二次エネルギー:私達が暮らしで使っている原料(一次エネルギーを使いやすく加工した物で灯油やプロパンガスなど)
(*5) 省エネ法では、2次エネルギー消費量に基づく化石燃料資源の消費量を評価する。