クライテリア

 昨年に続き今年も木造スクールを行うことができた、希望を叶えてくれた西部支部に深く感謝。
今年の狙いは、もちろん軸組・架構の理解を深めるこで昨年と変わりはない。


 第一回目は木構造、今年も山辺先生にお願いした、今年は演習を中心とした講義で、横架材の算定・断面を計算で導き出すことを目標にした。
 この架構・軸組を構成する横架材の算定・断面を計算で導き出すことは、建物に作用する力の種類と流れを理解することと同様に架構・軸組計画上、非常に重要なこと。


 一般的に架構・軸組計画はプランの変化と共に変わる、プランが決まってから架構・軸組計画を着手することはなく、プランと架構・軸組計画は表裏一体で……いや、架構・軸組計画が常に半歩先んじることで、構造合理性を獲得でき、経済的で、力強く、美しい架構・軸組が実現できるのだと思う。

 このとき横架材の算定・断面も押さえておかないといけないが、手計算で押さえておけば…計算する場合、荷重条件やスパン、負担範囲、余裕度などが解っているので…確かな手応えを持って対応でき、いわゆるスパン表から得られ情報量とは格段の差と信頼性が得られる。

 ここで初めて山辺先生が口を酸っぱくして言う、設計者として自分自身の*1)クライテリアを持つことができる。

講義中この「クライテリア」と「手を動かせ」は重要なキーワードで何度となく、繰り返し述べていた。


クライテリアとは設計基準のことで、ここでは個人の設計者が持つべき設計上の基準、法律と安全性、コスト、表現の間で揺れ動く。